堀内組を動かすヒト

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 ホシノマチ団地 牧原さん

縁あって長野のホシノマチ団地へ

>最初に自己紹介をお願いします。

槙原かずき、31歳です。昨年の3月から、ほしの町団地スタッフ兼住民をやってます。前職は坂城町の工務店で仕事していました。その前は、岐阜県美濃市森林文化アカデミーという学校で、木造建築の勉強を4年間して在来工法を学びました。その学校に行こうと思ったのは、学校に行く前に、愛知県の建材屋で働いていたんですけど、その時に、間接的ですがまちづくりに関わる機会があって、これは自分で直接的に関わりたいな、と思ったからでした。

>なるほど。すでに今の仕事に向けてのストーリーがありますね!ちなみに、ご出身はどちらですか?

出身は愛知県です。家から通える距離だったので建材屋さんに就職しました。

>そうでしたか。岐阜の学校に通ってる間も、なにかお仕事されながら通われてたんですか?

いえ、学校に集中したいこともあり、事前にお金をためて働かずに学校に通いました。

>潔いですね!学校卒業後に坂城町に来ることになったのは、どういうきっかけからでしたか?

卒業することになって、就職活動を始めて、おもに学校の卒業生が働いている工務店や建築会社などをいろいろと当たっていたんですが、その中での坂城町の工務店が自分のやりたいことにあってると感じて、就職して移住してきました。

>そこでは、どんなお仕事をされてましたか?

おもに住宅建築で、東信地域を担当していました。

>ホシノマチ団地のスタッフになったのは、どういうきっかけでしたか?

自分が担当した案件の多くが、小諸、御代田、佐久、軽井沢で、そのエリアに家を建てる人が多かったんです。なので仕事をしているうちに、なぜ、そのエリアに人が家を建てる人が集まるのかな、どういう産業や仕事があるのかな?と興味が湧いてきて、調べてたときに、ホシノマチ団地のスタッフ募集を見つけました。おもしろそうだなと。まちづくりに関わるにあたって、工務店とか建材屋ではない、もっと中心でダイレクトに関わりたいなと思ってたので、その思いにピッタリの求人だと。このことを家族にも相談したら賛成してくれたので、去年の3月にここに移住してきました。

>コロナ渦のなかでの転居でしたけど、そこは大丈夫でしたか?

自分も妻も引っ越しの経験が豊富だったので引っ越しなれしたてたのもありますが、不安はなかったですね(笑)

>団地に住むというのは初めてですか?

初めてです。実家は戸建で、実家でてからアパートだったんですけど、実は子供の頃から団地がいいなとおもってたんです。小学生・中学生時代とか、同級生に近くの団地の子どもたちが多くて、当時の自分の実家のまわりは子供がすくなくて、同年代は3〜4人しかいなかったんです。だから、学校帰りに遊んで帰るときとか、必然的に団地で遊びにいくことが多かったんですよね。団地は山を削って造成されていたので、こどもにとって楽しい遊び場もたくさんあったんで、みんな団地にいって遊んでました。なので、子供の数がおおくて友達が多い団地がうらやましかったですね。

>なるほどー。Z世代の牧原さんが子供の頃は、少子高齢化の影響がそういう形で顕在化してたんですね。自分がそだってきた昭和とはまた違った団地と子どもたちの関わり方の違いがよくわかりました。その経験と視点をふまえて、今のホシノマチ団地はどうですか?

今は、ほしの町団地のコミュニティができてます。実は自分が一番最初の移住者だったんですけど、この一年で形になりました(笑)。ホシノマチ団地は、開設当初、シルバー世代の終の棲家的な移住者をターゲットにしてたんですが、やはり対象になるかたの世代だと団地に対するネガティブなイメージが強いためか入居者が集まりませんでした。だから団地という名称を変えて募集してはという意見もありました。

>それが、牧原さんが一番最初に入居されてから、対象者がぐっとかわりましたよね?

そうですね。自分と同じ世代の人たちが集まってきました。主に30〜40代ぐらいの未就学児童のいらっしゃる方が多いです。世代的に回覧板とかも、紙ではなくて、住民でグループラインをつくって回覧を共有しています。

>具体的に、牧原さんが日常的にされているお仕事はどんな内容なんでしょうか?

基本は、団地の管理人として施設や設備の維持保全業務ですね。よくある部屋の設備とかが壊れたり調子悪かったりすることに対しての対応ですね。次に、やはりこの団地を満室にしたいので、団地の広報宣伝活動も行います。現在、16部屋中、12部屋まで入居されているので、残り7部屋をなんとかしたいと思っています。

>実際、今はどういう広報をされてたりしますか?

ホシノマチ団地のブログと、SNSでの情報発信がメインですね。あとは媒体(テレビ・新聞・雑誌)などの取材対応です。これらの他に広告宣伝としてSMOUT(移住マッチングサービス)に定期的に広告を出しています。これが問い合わせが多くて手応えがありますね。今の入居者の方は、9割ぐらいがSMOUTをご覧頂いていらっしゃってます。

>なるほど、いまの入居者数はこの積極的な広報活動のたまものですね。自分も、先日も地元のテレビ局のニュース番組の特集として、ここが紹介されているのを拝見しました。

そうですねー、SNSやBLOGでの発信だけでなく、テレビや新聞といった媒体も機会があれば、積極的に対応しています。それは県外からの移住者だけでなく、自分のような県内からの移住者も少なからずいるとおもいますので、長野県ローカルへの発信として重要だと考えています。

>あの番組の中で、団地のコミュニティの活動もいろいろ行われてると出てましたけど、具体的にはどのような活動をされてますか?

だいたい住民のやりたいことを相談されて、それを実現するために、団地の中の人や地域の地元人との関わりをつくっていくということが多いですね。たとえば家庭菜園やりたいという要望が何件かあって、それに対応して団地としてみんなでシェア農園をやることになりました。一人でやるのは大変だけど、みんなでやれば分担できる良さがありますね。

>クラブ活動みたいな感じですね。いいですねー。地域コーディネーターや団地住人のカタリストとしての役割されてるんですね。

やはり地域に以前から住まわれている住民の方に対するコミュニケーションも大事な広報活動で、団地の人たちを地域の中で孤立させないようにするためですね。地域のお祭りやイベントの情報を団地の住民への共有も積極的におこなってます。団地に移住してくる方は、佐久市のことをあまり知らず、縁もゆかりもない状態で来られるので、そういう方たちに団地の暮らしを通して、佐久地域とのかかわり合いの接点をつくることが大事かなと。結果として佐久の他の地域に魅力を感じて、団地を卒業される方がでるという方もいます。

>地域と団地の住民の方の窓になる感じですね!こういう仕事は、行政にはできないことだし、柔軟にやれるのが牧原さんの個性もふくめて重要な役割になっていますねー。現在のお仕事は会社員になるんですか?

そうですね。私は民間の会社「株式会社みんなのまちづくり」の社員です。

>会社のことをおしえていただきたいのですが、この事業は佐久市からこの団地の建物を委託されているってことになるんでしょうか?

ホシノマチ団地プロジェクトは、佐久市生涯活躍のまち構想から誕生しました。国土交通省の平成30年度スマートウェルネス住宅等推進モデル事業に選定されました。ここは市営下越団地という従来の団地なんですが、A棟、B棟の2棟のうちB棟の一部と集会所をリノベしてホシノマチ団地として弊社が運用しています。

>ということは、A棟は従来どおりに運用されているんですね。

そうなりますね。

>移住先に団地を選んだかたが、ここにお住まいだとおもうのですが、どういう利点を感じて団地を選択されたんでしょうか?

適度なプライベート感ですかね。貸家とかアパートみたいに、いきなり地元の大家さんやご近所との過形成や距離感が近いのも都会からだと難しいですよね。そういう意味では、ここは住んでる人が移住者なので人間関係の距離感がつかみやすいのが好まれてるのかとおもいます。

>そうですよね。地域との関わり合いも、牧原さんというクッションをおいてできますものね。それ以外にもなにか理由があったりしますか?

お子さんがいらっしゃる家庭では、やっぱり子供の教育環境を考えたときに、首都圏などの都会での育てづらさみたいなものを感じられていて、地方を選択されてる方が多いです。例えば、まわりに自然がなくて、公園ひとつとっても、人が多くて、ブランコ順番待ちとかあったり、いろんな公園の利用ルールが厳しかったり遊ばせにくいんですよね。だから地方での子育てを求めたという方がほとんどです。

>そういう方たちは、IターンとかUターンになるんでしょうか?

ホシノマチ団地では、100%Iターンですね。ただ、都市部からの人がすべてではなくて、自分もそうですが地方からのIターンも半分ぐらいはいますね。自分は、率直にいって、以前住んでいた坂城町より佐久市のほうが暮らしやすいと感じてます。この界隈でいえば、平地だから暮らしやすいっていうのもありますね。

>いままで団地の話ばかり聞いてきましたが、牧原さんのご自身の今後の予定や夢はありますか?

具体的にいつというのはないですが、最終的には起業する、社長になるというのを目標として持っていますが、まずは、古着屋さんにそろそろなるかなっておもってます。

>え?それはまたなんで古着屋さんなんですか?

もともと古着がすきだったのもあるし、こっちには古着屋さんが全然ないのでいいかなと。最近は佐久市の地域まるごとキャンパスという取り組みで、地元の高校生や大学生と一緒に活動する機会が多いのですが、古着に興味ある学生さんたちもいるので、臼田の商店街とかで仮店舗をひらければと思っています。

>それは確かにすぐに行けそうですねー。古着屋さんは、今のお仕事をしながらつづけるんですよね?

そうですね。当面は、今の団地の管理人の仕事をしつつ、他の仕事もやっていきたいと思っています。というのも団地ぐらししている人たちには、複数の仕事をしている人がいたり、地元の商店街の人たちと話しをしてもお店以外に農家やったりと、みなさんいろいろ職業をやってらっしゃるという話をきいてその気持が強くなってきました。また古着だけでなく、木工のお話もあるので、木の指輪をつくってみたいとかも思っています。

>団地の住人の方は、地域の企業に就職しているかたは少ないですか?

そうですね、地元の仕事ではなくてテレワークされてる方が多いです。

>いろいろとお話を伺ってきましたが、最後に、移住を検討されている方になにかアドバイスがありますか?

移住について、人生かけてという感じで失敗したらどうしようって重く捉える人が多いけれど、自分は移住は、ただの引っ越しだとおもってます。移住先で、うまく馴染めずにダメだったら元のところに戻ればいいですし、別の地域に移動すればいいですからねー。そう考えた時に、スモールスタートの移住として団地は入りやすいとおもいます。今のところ地方移住で団地を勧めてるところってここぐらいなんですよね。ここの成功事例が広まっていくうちに、その他の地方でも団地移住がでてくるかもしれませんので(笑)

>最後ですが、ここホシノマチ団地をとおして堀内組とお付き合いいただいてるわけですが、私たち堀内組は、どういう印象をお持ちでしょうか?

総合建設業として活躍されているだけでなく、地域のコミュニティづくりや移住促進事業など人と人との関わりにも寄与されている地元の会社さんというイメージです。ホシノマチ団地で故障トラブルなどがあった際にも迅速に対応をしていただいており、とても頼りになる会社さんです。

お褒めいただき、大変うれしいです。今後とも宜しくお願いいたします。ありがとうございます!。本日は、いろいろなお話を聞かせていただき誠にありがとうございました!

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